T595デッド・エンド・ストリート

古いバイクの記録です。Yahoo!ブログより引越し。

T595リヤサスペンションリンク

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・リヤサスペンションリンク形式
日本車は1本サスになって色々な方式が試されたがリンク式の大半がスイングアーム側のプル(引き)ロッドとサス側のプッシュ(押し)ロッドが交差するボトムリンク形式となっている。
ホンダ車はプロリンク式リンクを採用している。リンクによってレバー比を調整する事でサス自体の制約(ストロークや減衰)をカバーするやり方となっている。
従来、2本サスに代わるリンク式サスペンションは増大する出力や荷重に対応するためとホイールトラベルの確保を両立するために採用されたのだが、最近の技術とタイヤの進歩によりロードではホイールトラベルは減る傾向にあるらしい。
・T595リンク形式
さてT595のリンク周りはパンタグラフ式となっている。これは赤い線で示した2辺のロッドが荷重を受けて開くにつれて、サスを押すストローク自体は減少する傾向になる。つまり180度に開き切ると当然ストロークは0になってしまう。確かに設定荷重以上にストロークする事は無いし、マニュアルではリヤアクスルのストロークで120mmは確保していあるとは言え、ある位置からはほとんどサスがリジッド傾向になってしまうと考えられる。
もっともリンクの変化は実測してみないと、リンクとリヤアクスルの位置による変化は不明。感覚的には、コーナリング中に荷重を掛けていくと、ある点から急激に倒れ込んだりするのは、この傾向があるためだと思われる。このリンク構成は、初期のトライデントから大きくは変更されていなかったが、02年モデルの955iではボトムリンク形式に改められはしたが、片持ちを継続するため結局パンタグラフ式に戻されている。ただし微妙な改善は進められてサスはストロークアップして動きを良くしている。

・ボトムリンク形式への変更
1.リンクはそのまま。サスペンションだけ変更
2.左図。リンクを延ばす事でストロークを確保。しかしサスのバネレートと減衰は上がる傾向
3.右図。リンクを全て変えレバー比からストロークまで変更。全く別物。

計測した結果を元にリンクとサスのシミュレートを行った。2人乗りを想定している純正の設定はバネレートの低い'98年式でさえ2次曲線的に対応荷重を増大させている。

・リンクシミュレーション(2001年08月09日修正)
作成したグラフは、横軸をリヤアクスルの対地角(地面と水平を0)とし縦軸をリヤ荷重・サスペンションストローク・レバー比の3つ。T595のオリジナルリンクの結果から望む仕様はストロークを増やしてサス自体の性能をもっと引き出す。レバー比の変化を少なくライディング時の変化に変移点を作らない。

1.T595オリジナルリンク
2.T595オリジナルリンクロッド延長(レバー比(リンク比)の立ち上がりを抑える)
3.ZZ-Rリンク取り付け (サスストロークの延長)
4.新規リンク作成(最終案)

リンクロッドの延長では荷重は立ち上がらなくなるが、ストローク自体は変わらないがリヤの動きは大きくなる。ZZ-Rのリンクはレバー比は下がりサスストロークは大幅に上がるが、そのままでは荷重が上がりすぎてしまう。そこでリンクの位置を変更してそれぞれの条件を満たしたのが、最終案のグラフになった。サスはバネレートを下げ、全長は30mm以上も延びた。