低温時の始動性
IACV(IdleAirControlValve)
機能はマニフォールドのバタフライバルブ閉時に上の画像にある1番と2番マニフォールドの間にある扇形バルブから黒い蛇腹ホースを通して直接マニフォールドにエアを送る。
古いT595や885にもバルブ形状は異なりますがIACVは存在します。
目的はアイドリング。エンジンオーバーラン時の吸気空気供給。海抜以上の高度での空燃比補正。コールドおよびホットスタート空燃比補正。
Segamアイドリング/ウォームアップマップ
エンジンクーラント温度を参照して恐らくはIdleマップとWarmupマップで調整されたIACVによって低温始動時にアクセル開けなくてもアイドルアップしてくれる筈だが外気温が低くクーラントが低温時にはアクセルを開けておかないとアイドリングを維持出来ませんw。
最低でもクーラント温度40度を越えないとアイドリングは安定しません。
※低温始動性の解決策について
ネットにあった解決策はO2ラムダセンサー付きDaytona955i(10179マップ)ではWarmupマップの低温側数値を上げる事が1件のみ。
Sagem製ECU(MC2000/MC1000の一部)を使っている955iはO2ラムダセンサーは使っていません。
自分のSpeedTripleはMC1000(S1000T3)ですが現在設定してある10075マップではWarmupマップの低温側数値はO2ラムダセンサー/SAI付きのMC1000を使っている車種用の10179マップより数値が低いので数値変更を試みるのみ良いかもしれません。
TuneECUでのTPS開度0-100%の数値と電圧
※水温が異なるのは別の時に取得した画面のためです。
アクセルを全閉~全開時のTPS電圧と開度を確認してみました。電圧は0.61V~4.43V。開度は0~76%。アクセル全開で100%じゃ無いのかと思ったがRATNetでも各年式の他の車種の情報をまとめてありましたが電圧とTPSの%は似たり寄ったりで100%はありませんでした。
※捕捉1
TuneECU/RATNetにはいたずら防止ネジで固定されているTPSの閉(0%)位置調整方法はTPSベース電圧を0.6V±10%(0.06V)または0.6V±0.02V(Keihinの可能性有り)の範囲で調整との記載あり。
※補足2
TriumphのワークショップマニュアルではTPS開度100%(5V)となっています。ただし0%開始電圧やTPS交換時の調整方法の記載はありませんでした。
クーラント温度変化によるCO/IACVの値
低温時と暖機後のIACV値は自動的に変更されます。
Idleタブの4値について
左上:エンジン回転数
右上:ISCVアジャスト値
左下:IdleFuelTrim(CO)
右下:IACVのステップモーターの位置
※RATNetには温間時アイドリング中のIACVの公称位置は全閉から20〜35ステップとの記載がありました。
IACVを調整するには、ダブルクリックします。
補足:Keihin製ECMとISCV
SpeedTriple1050/Dayotna675になってKeihin製ECUが採用されセンサーと制御が変更になりました。
ISCV(IdleSpeed?(Step)ControlValve)
ISCVはスロットルボディの右端にあるステッピングモーターでスロットルのカム/レバーを作動させ、マニフォールドのバタフライバルブを若干開きます。
主にアイドリングスピードの維持やエンジン冷間時のスロットル開度を調整します。
MAP(マニフォールドアブソリュートプレッシャー)センサー
IACVの位置に3本のスロットルボディのそれぞれに等しい長さのチューブで接続されています。MAPセンサは非常に小さなスロットル開度で使用されるECMに情報を提供し正確なエンジン負荷指示を提供します。TPSだけでは不可能であった燃料および点火に対して非常に細かい調整をが可能となります。
Fマップ/Lマップ
TPSによるFマップとMAPセンサーによるLマップを参照しF-L Switchでマップ切替を行う様です。燃調制御は緻密になった様です。