T595デッド・エンド・ストリート

古いバイクの記録です。Yahoo!ブログより引越し。

955i ハブダンパー交換

ハブダンパー交換作業

スプロケット・チェーン交換に続いてハブダンパーを交換します。英語はCush rubberと呼ぶので最初はなかなか探せなかったゴムの塊です。
本来ならハブベアリングの入替えも行いたいのですが、代替ベアリング入手と交換用ハブの整備が完了していないため後日行う予定です。

M35ナットカシメ解除

ハブダンパー側のロックナットは縁付きで窪みのあるアクスルシャフトと組み合わせて縁を叩いて凹ます事でナットの廻り止めを行います。
外す時は細い楔を打ち込んで凹みを解除する必要がありますが、そんな都合の良く細い貫通式のドライバーなどは持っていません。
色々試行錯誤した挙げ句、小さいマイナスピットを楔代わりに打ち込んで対応しましたた。後はインパクトドライバーでナットを緩めます。

その前に掃除

左のアクスルナットを外すためにジャッキスタンドで車体中央部を支えて片持ちリヤスタンドを取り外せる様にホイールを外して後ろを軽くしました。
ついでにスイングアームの内側付近を清掃しますが、真下に無いのにパーツクリーナーを吹き掛けるとチェーンにその汚れが飛び散りました(^_^;)。以後新聞紙をチェーンに掛けてからパーツクリーナーを吹き掛けて汚れを落とします。
その他も軽く清掃しておきます。

マグホイールのハブ確認

Marvicの鋳造マグホイールPentaは購入してほぼ20年選手です。
大昔キャッツアイを踏んでリムを曲げた際に修理して再塗装する時に腐食防止の化学処理を行っていますが、ホイール内部よりホイールハブの接触面は経年により腐食が進んでいる様です。

クッシュアウター分離

インパクトドライバーでアクスルナットを外してハブダンパーユニット全体を引き抜きます。ユニットを分割して内部を清掃して綺麗にした後で5個のゴムダンパーを新品に交換しました。
ユニットを組み立てる際にダンパーの滑りを良くするためにダンパー表面にシリコングリスを塗っておきました。
内部のベアリングスペーサーやスペーサーなどは当たり面にマイクロロングリースを塗布しておきます。

ハブダンパー組付け

新品のゴムダンパーを入れたせいか抑えたり叩いたりしてもアウターとセンターユニットがきちんと収まらないため車体に組み付けてホイール側と同じ146Nmで締め付けておきました。チェーンは無負荷で遊び40mmに張ります。

試走

いつもの波止場まで近所を試走してみます。大きかったシフトショックが消えて振動減りました。
極低速でもガチャガチャする事なくタイヤへの駆動力が安定しており微アクセルにも反応してじんわり付いてきます。

反面、新品のチェーンとスプロケットを組み付けたせいかエキセントリックハブのシャフト位置が変わってしまいリヤが下がってりフロントの切れ込み増えて違和感が出る様になってしまいました。またセッティングを一からやり直しですね(^_^;)。

しかし画像からはエキセントリックハブのアクスルがほぼ最低になって車高上がってる筈なんですが、走行時の感覚は逆でリヤ下がり。


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955i-2 SFF圧側シム テスト2組立

テスト準備

前回検討したテスト案の内、分解せずに試行可能なのは2,3なので必要な部品を入手する事にしました。1,4は後回しです。

1.純正バルブ使用。積層シムのみ変更。
2.GV伸側バルブ流用。逆様装着。(動作性)
3.GV圧側バルブ流用。(Oリング耐久性)
4.純正シム変更、GV圧側ユニット追加。(ストローク減少)

2の6mm/8mmのシムリングと3の運動用Oリングを複数種類入手しました。

テスト案2:シムリング

バルブを逆様にした際、座ぐり穴の隙間を埋めるために内径6mm/外径8mmのシムリングの厚み1.0mm,0.5mm,0.3mm,0.2mm,0.1mmを揃えました。

シムリング1.0mmの場合

バルブ面から若干浮いている気がします。
念の為バルブとスプリングシムを全て組んでみるとスプリングシムがバルブ面に密着せず浮いています。

シムリング0.9mm

0.5mm,0.3mm,0.1mmの組み合わせで0.9mm厚としてバルブを組みました。
スプリングシムの構成は伸側バルブのスプリングシム構成と同じです。
問題がある様なら構成を変えますが、まずは正常に動作するかの確認が先です。

テスト案3:Oリング

左は運動用の外径20.6mmのOリングです。線径は2.4mmで硬度の高いNBR-90のP-16です。
右は圧側バルブに使われている固定用のOリングです。線径は1.5mm程度です。
問題は圧側バルブのOリング溝の外径は17.6mmで溝幅は2.2mmのため運動用の2.4mmは入りません。
まあ入っても組み込んだ外径が17.6+4.8=22.4mmになるため内径20mmのインナーカートリッジ内に入りません。
運動用Oリングで線径1.5mmは無さそうですので圧側バルブの流用は出来ない可能性が高いです。
もっとも社外品のRacetech FMGV S2053CやMatrisは圧側バルブのリングはOリングみたいですから安ければそちらにするのですが。中古でも現状高いです。

テスト案2の移植予定

1号機の整備が終わって時間が出来たら2号機のSFF圧側ユニットを分解してこのバルブを組む予定です。

955i チェーン・スプロケット520化

2016年から

標準の530チェーン・スプロケットは2016年に交換したもので25000km走行しました。
チェーンスライダーは2019年に交換して11000km走行したもの。
あまり負荷を掛けなくなったせいか、意外に保ちましたね。
今回は530のチェーン・スプロケットを520のそれにコンバートします。
2018年に購入してずっと眠っていた部品です(^_^;)。

ハブダンパーとエクセントリックハブのメンテナンスは一緒にやると手間が省けますが今回は別々に行います。

掃除中

スプロケットカバーやリヤフェンダーを外してから交換に必要な部品を取外していきます。ニュートラルスイッチの配線が潰れてるの発見(^_^;)。
2016年と違ってインパクトドライバーがあるのでフロントスプロケットのナットを外すのも簡単でした。ついでに普段は見えない場所も含めて掃除していきます。

520コンバートキット

チェーンは江沼チェーンのThreeD/3D 520Z 110L。
2018年当時購入したのはSuperlite RS7シリーズの520コンバートキットのTriumph Daytona T595用です。スプロケットの丁数は純正と同じです(18T/43T)。

チェーンセンター

520化によって薄くなったスプロケットはエンジン・ホイール側の固定面が同じ場合、チェーンセンターが若干内側に寄る事になります。
チェーンスライダーは530用ですからチェーンセンターとはズレが生じます。
実際にチェーンを装着してスライダーのレール内に収まってくれれば良いですが。次にチェーンを装着してみます。

チェーン・スプロケット装着

前後スプロケットの装着は特に問題有りませんでした。ナットを132Nmの締め付けトルクで締めるのが多少の手間でした。
気を使ったのはチェーンのカシメ。前回のDIDの時に使った社外品のチェーンツールを使います。

110Lのチェーンから2リンクをカットしてジョイントピンを装着しプレートを圧入します。プレート幅は18.2mmだったので圧入幅も合わせておきます。
チェーンツールのピン頭実測Φ5.2mmのピンサイズに合わせてカシメますが、520ZはカタログにはΦ5.38mmとあるカシメ寸法が異なります(カシメピンサイズはΦ5.6mm~)。
取り敢えずΦ5.24mmの520RRに合わせて上限Φ5.5mmまでピン頭をカシメておきました。

後はスプロケットボルトの穴に速度センサー用の磁石を接着剤で固定したらテストして完了です。


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新造護衛艦

一昨日のニュースで長崎の造船所から就役した護衛艦が倉島岸壁に着岸していました。可動部分が無くてのっぺりしてますね。

955i リヤリンク整備

リヤリンク点検

今日からリヤサスペンションのリンクユニットを点検します。
リンク部のボルトを軽く緩めておいてエンジン後部をジャッキアップしてから作業を開始します。
もう慣れたものでボルトを取り外しカラー・スペーサー・ダストシール類を取り外してリンクユニットを抜き取ります。今回は追加でスイングアーム側のリンクロッドとサスペンションユニットも外して点検しました。

ベアリング点検・清掃

昨年の9月に行った点検内容と同じ作業になりますがリンクユニットからスリーブを抜いたら内部のニードルローラーベアリングの状態を確認して全部品を軽く清掃した後にグリスアップしました。スリーブも点検してグリスを薄く塗布してから差し込みます。
サスペンションユニットはピストンロッド表面を確認して全体を清掃しました。

間違えた

組み上げてワイヤリングまで終わって気が付きましたが、ボルトの頭の向きを揃えるのは覚えていても向きがどちら側かは覚えていなかったせいでリンクロッドの向きが逆になっていました(^_^;)。
実際はリンクロッドの赤い部分が前を向く方向でボルトは右から差し込むのが正しいです。

時間も遅いので明日付け替える事にしました。

ちょっと寄り道

翌日はリンクロッドの向きを変える前に別のリンクをフィッティングしてみます。このリンクは2002年に販売されていた両持ちスイングアームのDaytona955iに使われていた純正ボトムリンクユニットです。

確認するのはマウントした場合の各寸法のみ計測して比較します。サスペンション仕様に影響するレバーレシオは確認しません。

・フレーム側マウントは同寸(スリーブ長は約118mm)。
・リンクロッドマウント幅はフレーム側マウントと同寸(約118mm)。
・サスマウント幅は約32mm。旧Ninjaは40mm。YAMAHAは30mm互換無し

サス長とマウント穴の幅

現行のサス長は純正とほぼ同値(純正は約387mm位)で仮留めした状態。サス長でリンクロッド長は若干変わってきます。適当に測ってリンクロッド長は165~170mmに収められれば良さそうです。

サスペンションがストロークした際のスプリングがサスホール壁面に接触しない様に留意する必要はありますが、まあ概ねセンター付近には位置している様です。

問題はリンクロッドマウントの幅が118mmある事です。
リンクロッドのステーの厚み分幅が狭くなる訳ですがスイングアーム側のマウント部内側の幅は115mmしかありません。

単純にリンクロッドプレートだけではスイングアームに固定出来ませんし、ロッドがオフセットされた左右連結のリンクロッドが必要です。

逆にボトムリンクユニットのマウント部分を両側を削ってベアリング、シールを中に追い込めればリンクロッド使えるか?はかなり難しいと思います。

外れん・・・(^^;

ベアリングプーラーを使って固着して錆びたニードルローラーベアリングの取外しを試みますが、足の固定が悪くて全く動く気配がありません。

ベアリングを外してみないと中の様子が判りませんから要検討ですね。

復元完了

採寸は完了したのでリンクを元に戻していきます。リンクロッドはもちろん向きを入替えてあります。

ある程度締めたらトルクレンチを使って設定したトルクで締めていきます。前回は前のフレーム側のトルクは70Nmでしたが、今回は以下のトルクにしました。

1.前:フレーム側マウント:80Nm(前回83)(標準95)
2.中:リンクロッド側マウント:42Nm(前回48)
3.後:サスペンションマウント:42Nm(前回56)
4.上:スイングアーム側マウント:42Nm(前回49)(標準49)

フレーム側の削り出しリンクは両端のカラーがジュラルミンが中央の鉄スリーブを挟み込む形状です。またマウント穴のフレーム端が開放なのでトルクを掛けて締め込むと縮みます。
カラーとリンク本体の間には樹脂シールが嵌っており過剰な締め付けは余分な摩擦を引き起こすためカラーの外にシムを追加してリンクの幅寸法118mmに合わせて少し重くなる程度まで締め込みました。
純正ボトムリンクなら118mmのスリーブが入るので95Nmで締め込んでも問題ありません。

955i リヤハブベアリング調査中

過去画像から

現在保管している予備のリヤハブは2006年2月にOHしたT595のものでした。その際にベアリング類の画像を記録しておきました。

当時のOH時の画像を探してベアリングの型番を確認します。

リヤハブとハブダンパーのアウターに使用されているベアリングの純正品番と名称とベアリングの寸法(mm)とOH時に使われたベアリングの型番は次の通りです。
またベアリング6908Vの2個は当時純正品が入手出来なくて2個重ねで代用した様です。覚えていませんが(^_^;)。

T3800150, Bearing, Twin Ball 35x55x20 NTN DF0768LU
T3800170, Bearing, Twin Ball 40x62x24 NSK 6908Vx2個
T3800220, Bearing, Needle Roller 45x55x20 INA NK4520

ベアリングの各寸法から複列ボールは深溝玉軸受では無くACB(アンギュラーコンタクトボール)ベアリングの様です。
その他にも固定用のスナップリングやシール用のOリングなども必要ですが、純正部品が価格差が大きいのはベアリングですし。
スペックが同じなら代替出来る別のベアリングメーカーのベアリングを探す予定です。
代用の効かない純正部品は取り寄せるしかありません。

一応、検索すると複列ベアリングは車のエアコンマグネットクラッチベアリングに使われている様です。

予備ハブの確認

昔はバイク屋さんで交換して貰ったため昔の画像では使用前か後かは判らないので予備ハブ見ると同じ部品が使われている様です(ニードルローラーは不明)。

代用可能な互換型番と国内在庫を確認すると35mmだけ7月以降でした。

✕ NSK製 35BD219T12DD 

○ NACHI・不二越製 40BGS11G-2DS またはNSK製 40BD219T12DD

○ 日本トムソン(IKO) TA4520Z

海外製ベアリングにも互換品はありますが、欧州からの輸入は現状コスト高です。

その他の純正部品も発注してから2ヶ月ほど納期が掛かるため、現状のハブベアリングの状態次第ではこの予備ハブで代用する可能性が出てきました。

到着

購入時はまとめて無料配送とは言え在庫があればベアリング1個でも個別配送とは逆に輸送コストが心配になる位です(^_^;)。

Cリング

古いハブをメンテナンスする場合、このCリングを外す練習をしないといけません。

955i-2 追加整備:オイル交換

追加作業

午後遅くから2号機のオイル交換作業に入ります。今日も良い天気で陽射しが暑いです。

オイル・オイルフィルター交換

古いオイルを抜いてフィルターも取り外しました。
純正のドレインボルトは二面幅13mmで磁石は付いていません。

オイルジョッキに入れてみて1号機に使ったVHVIオイルでは残量が足りない事が判明しました。急遽、新オイル(と言っても2年前に購入したもの)に替えます。
今回のフィルターは70mm高では無く在庫の65mm高のものを使いました。

新オイル

新しいオイルはPAOベースの2.5W-40です。これに前回使用した添加剤を追加しました。

CAS2 65ml,MoDTC 5ml,ZnDTP 5ml,TRAP 9ml

メスシリンダーに真っ黒なCAS2を入れてオイルジョッキのオイルと混ぜて、更にスポイトで添加剤を追加して混ぜ合わせて全量約3.2Lを投入しました。

1号機と違って2号機は若干シフトが固かったので新オイルにシフトタッチ改善に期待してます。

955i リヤハブダンパー点検準備

予備パーツから

1号機のリヤホイール周り一式を整備する前に予備パーツの準備のために前車のT595から取外した片持スイングアームからリヤハブ一式を取外します。
T595は55000kmでリヤハブのベアリング一式をO/Hした後で63000kmまで走行して放置していたものです。T595を廃車にした際にエンジン・フレーム以外のパーツは残しておきました。内部の状態によっては整備すれば代替パーツとして使えるかもしれません。
まずはハブダンパーユニットを取り外す準備としてシャフトの供回りを防ぐためにホイールを取り付けます。

ロックナット取外し

4年ほど放置していたせいかホイールで固定してインパクトを使ってもナットがかなり固くて回り難いため少し緩めたら大型ソケット+ブレーカーバーを使ってゆっくり緩めていきます。

ナットとスリーブ

やっと緩めた回り留めの打ち込み用の延長縁の付いたM35ナットの下は皿状のコニカル(スプリング)ワッシャーとスリーブが重なります。

ハブダンパー

ハブダンパー形状はHONDAのプロアームナットとスリーブはスプロケットを固定する黒いハブダンパー(クッシュ)アウターとリヤアクスルシャフトに差し込まれるスプラインが刻まれたクッシュセンターをゴムダンパーを挟んで密着させるためのものです。
スプロケットの回転による動力は黒いゴムダンパーを介してアクスルシャフトに繋がったホイールを回転させます。逆にチェーンへのショック緩和にも寄与します。
ダンパーとハブ内に汚れとグリスがこびりついていたので清掃するのに時間が掛かりました。

ハブベアリング

ハブダンパーのアウターとハブのスプロケット側に複列ボールベアリング。ブレーキ側にニードルローラーベアリングが配置されます。
ニードルローラーベアリングをグリスアップすれば再利用出来そうです。

ハブ比較

Triumph T595とDucati 1098のハブを比較します。

本来なら設計年次の近い748/916等のスモールアクスル系ハブと比較するべきなんでしょうが、ビッグアクスル用のホイール流用検討のためにアクスルシャフトと一緒に付いてきたのでw。

大きな違いは複列ボールベアリングとテーパーローラーベアリングの配置が逆である事とTriumphはテーパーローラーがベアリングが直にシャフトに接触しており、Ducatiはフロントホイールみたいにスリープとインナーカラーでシャフトの位置決めを行っています。恐らくはハブダンパー構造が異なるせいかと思われます。クッシュアウターとセンターの配置も逆ですし。

Ducatiはレスポンス優先でダンパー容量も小さくトルク変動が大きいLツインエンジンのパワーを受け止めるためにスプロケット側にテーパーローラーを入れたんでしょうかね?